岡山市生まれの私は、大学は都会に出て行ったが、
同級生たちの中には、地元の清心女子大学で学んだ人が
何人かいる。
その頃にはまだ、渡辺和子シスターがおられて、
シスターと触れ合うことがあったはず・・・
羨ましく思う・・・ 。
渡辺和子先生の著作の中から、心に沁みた言葉を忘れないように書き留めたい。
Contents |
1.「面倒だからしよう」 |
2.不幸の裏側に幸せを見つける |
1・学生との合言葉「面倒だからしよう」
人には皆、苦労を厭い、面倒なことを避け、
自分中心に生きようとする傾向があります。
しかし、人間らしく、よりよく生きるということは、
このような自然的傾向と闘うことなのです。
したくても、してはいけないことはしない、
したくなくても、すべきことをする。
自由の行使こそは、
人間の主体性の発現にほかなりません。
試験のあとの、消しゴムのカスをそのままにしておくのも、
ティッシュペーパーに包んで席を立つのも、
本人の自由です。しかし、
よりよい選択ができる人たちを育てたい。
安易に流れやすい自分と絶えず闘い、
面倒でもする人、
倒れてもまた起き上がって
生きてゆく人たちを育てたいのです。
2.不幸の裏側に幸せを見つける
あるアメリカの修道院では、朝食のトーストが
黒焦げになってしまうことがよくありました。
しかしもったいないので、その黒焦げのトーストも
そのまま出されます。昔の修道院は
沈黙していただくのが当たり前でしたので
沈黙を守り、一枚づつ上からトーストを取って
次の人へお皿を渡していました。
一人の修道僧が「また黒焦げか」と、
非常に不機嫌な顔をして自分にあたった
トーストをとり、次の人に渡しました。
次の修道僧もやはり黒焦げのトーストを自分の皿に取りましたが、
その人はトーストを裏返しにして、
「あぁ、片側だけでよかった。ありがたかった。」と
言ったそうです。
それはつまり、物事は裏返して見てごらんなさい、
片側は真っ黒焦げかもしれないけれど、
もう一方の側は黒焦げになっていない
かもしれないということです。
その時に、「 あぁ、片側だけでよかった。ありがたかった。」
という気持ちが持てることが、ある意味で
「幸せになる秘訣」なのです。
その心のゆとりが平安と幸せをもたらすのです。